【プロが徹底解説】シーラーとプライマーの違いとは?外壁塗装で失敗しないための完全ガイド

外壁塗装の見積もりを取ったとき、「シーラー」や「プライマー」という言葉を目にして、「これって何が違うの?」と疑問に思ったことはありませんか?どちらも「下塗り」として記載されていることが多く、一見すると同じもののように見えるかもしれません。
しかし実は、シーラーとプライマーには明確な違いがあり、それぞれが果たす役割も異なります。適切な下塗り材を選ばなければ、せっかく高いお金をかけて塗装しても、数年で塗膜が剥がれてしまったり、色ムラが出てしまったりと、残念な結果になってしまうこともあるのです。
こんにちは!神戸市・伊丹市で外壁塗装を行っているDIOhomesです。この記事では、塗装のプロである私たちが、シーラーとプライマーの違いを徹底的に、そして他の記事では語られていない独自の視点も交えながら、わかりやすく解説していきます。
目次
- シーラーとプライマー、一言でいうとこんな違い!
- シーラーとは?「化粧水」のように下地を整える
- プライマーとは?「接着剤」のように密着させる
- 【比較表】シーラーとプライマーの違いが一目でわかる
- 【深掘り】水性と油性、どう使い分ける?プロの判断基準
- 知っておきたい!その他の下塗り材との違い
- 【失敗事例】下塗りを間違えるとこんなトラブルが!
- シーラーとプライマーを併用するケースもある
- プロはどうやって判断しているの?現地調査の重要性
- DIOhomesが考える「下地処理」へのこだわり
- まとめ:違いを知って、安心の塗装工事を!
シーラーとプライマー、一言でいうとこんな違い!
まずは細かい説明に入る前に、シーラーとプライマーの違いを、身近なものに例えてざっくりとイメージしてみましょう。
シーラーは「化粧水」
乾燥したお肌に化粧水がグングン吸い込まれていくように、古くなった外壁が塗料を吸い込みすぎるのを防ぐのがシーラーです。お肌で例えるなら、ファンデーションを塗る前に化粧水で肌を整えるイメージですね。シーラーを塗ることで、壁の表面を固め、塗料が余計に吸い込まれるのを防ぎます。
プライマーは「接着剤・両面テープ」
ツルツルした面に何かをくっつけたい時、接着剤や両面テープを使いますよね。プライマーは、塗料がくっつきにくい金属やプラスチックなどの素材に、しっかりと塗料を密着させる役割を果たします。まさに、塗料と素材の間に立つ「仲人」のような存在です。
なんとなくイメージできたでしょうか?どちらも「下塗り」という、本格的な色を塗る前の準備段階で使いますが、その目的が少し違うのです。
シーラーとは?「化粧水」のように下地を整える

シーラーの語源と基本的な役割
シーラー(Sealer)の語源は、「Seal(シール)」、つまり「封をする」「覆い隠す」といった意味があります。築年数が経った外壁、特にモルタルやコンクリートの壁は、長年の雨や紫外線で表面が少しずつ傷んでいます。例えるなら、カラカラに乾いたスポンジのような状態です。
このままペンキを塗ると、壁が塗料をどんどん吸い込んでしまい、色ムラができたり、本来の性能を発揮できなかったりします。そこで登場するのがシーラーです。シーラーを先に塗ることで、傷んだ壁の表面を固め、塗料が余計に吸い込まれるのを防ぎます。
シーラーが得意な素材
シーラーは、主に以下のような「吸い込みやすい素材」に使用されます。
モルタル・コンクリート
最も一般的なシーラーの使用場所です。モルタルやコンクリートは多孔質で、経年劣化により表面が粉を吹いたような状態(チョーキング現象)になることがあります。このような状態の壁には、シーラーで吸い込みを止めることが不可欠です。
スレート屋根
屋根材として使われるスレートも、紫外線や雨風で劣化すると吸水性が高まります。屋根塗装の際には、シーラーで下地を整えることで、上塗り塗料の密着性と耐久性を高めることができます。
古くなって粉がふいている外壁
手で壁を触ると白い粉が付く「チョーキング現象」が起きている外壁には、必ずシーラーが必要です。この粉は塗膜が劣化して粉状になったもので、この上に直接塗料を塗っても密着しません。シーラーで下地を固めることで、初めて塗料が密着できる状態になります。

シーラーの種類:水性と油性の違い
シーラーには大きく分けて「水性シーラー」と「油性(溶剤)シーラー」の2種類があります。この使い分けが、実は塗装の成否を大きく左右する重要なポイントなのです。

水性シーラーの特徴
水性シーラーは、劣化が比較的軽度の下地に適しています。浸透性が油性に比べて低いため、あまり吸い込まない下地に使用します。臭いが少なく、乾燥時間は3〜4時間程度です。環境に優しく、室内塗装にも使用されることがあります。
油性シーラーの特徴
油性シーラーは、劣化が激しい下地に適しています。浸透性が非常に高く、よく吸い込む下地にしっかりと染み込んで固めます。乾燥時間は30〜60分と短いですが、臭いが強いのが特徴です。外壁塗装では、劣化が進んだ壁に油性シーラーを使用することが多いです。
| 種類 | 浸透性 | 適した下地 | 乾燥時間 | 臭い |
|---|---|---|---|---|
| 水性シーラー | 低い | 劣化が軽度の下地 | 3〜4時間 | 少ない |
| 油性シーラー | 高い | 劣化が激しい下地 | 30〜60分 | 強い |
【プロの視点】吸い込みが止まらない時は2回塗りが必須
ここが他の記事ではあまり語られていない重要なポイントです。劣化が非常に激しい壁の場合、シーラーを1回塗っただけでは吸い込みが止まらないことがあります。この場合、シーラーを2回塗りする必要があります。
もし吸い込みが止まらない状態で中塗りをしてしまうと、表面にシーラーがない状態で塗装するようなイメージになるため、密着性が悪くなり耐久性が落ちたり、艶がある塗料を使っているのに艶が出なかったりと、初期不良になる可能性があります。
私たちDIOhomesでは、現地調査の際に壁の吸い込み具合を必ず確認し、必要に応じてシーラーの2回塗りを提案しています。この「見えない部分」での手間を惜しまないことが、長持ちする塗装の秘訣なのです。
プライマーとは?「接着剤」のように密着させる

プライマーの語源と基本的な役割
一方、プライマー(Primer)の語源は、「Prime(プライム)」、つまり「最初の」という意味です。鉄やアルミ、プラスチック(塩ビ)といった素材は、表面がツルツルしていて、そのままペンキを塗ってもすぐに剥がれてしまいます。
皆さんも、プラスチックの下敷きに油性ペンで書いた文字が、こすると消えてしまった経験はありませんか?プライマーは、そんな塗料が密着しにくい素材と、上から塗るペンキとの間に立って、両者をがっちり結びつける「仲人」のような役割を果たします。
プライマーが得意な素材
プライマーは、主に以下のような「ツルツルしてくっつきにくい素材」に使用されます。
鉄部(階段、手すり、雨戸など)
鉄部の塗装には、錆止め効果のあるプライマーが使用されます。代表的なものに「ハイポンファインプライマー」などがあります。鉄は錆びやすいため、プライマーで錆の発生を防ぎながら、上塗り塗料との密着性を高めます。

アルミ部(サッシ、庇など)
アルミは鉄よりも錆びにくいですが、表面が非常に滑らかで塗料が密着しにくい素材です。アルミ専用のプライマーを使用することで、塗料がしっかりと密着します。
塩ビ(雨どい、配管など)
塩ビ(ポリ塩化ビニル)は、プラスチックの一種で、非常に塗料が密着しにくい素材です。塩ビ用のプライマーを使用することで、雨どいなどの塗装が可能になります。
タイル、ガラス、その他特殊素材
タイルやガラスなど、特殊な素材にも専用のプライマーがあります。これらの素材は通常の塗料では全く密着しませんが、適切なプライマーを使用することで塗装が可能になります。
プライマーの種類と特殊機能
プライマーには、素材に応じてさまざまな種類があります。単に密着性を高めるだけでなく、以下のような特殊機能を持ったプライマーも存在します。
錆止めプライマー
鉄部に使用されるプライマーで、錆の発生を防ぐ防錆成分が含まれています。鉄部塗装では必須のプライマーです。
防カビプライマー
湿気の多い場所や、過去にカビが発生した箇所に使用されるプライマーです。防カビ成分が含まれており、カビの再発を防ぎます。
コーキング用プライマー
サイディング外壁などの目地に使用されるコーキング材を打つ前に塗布するプライマーです。コーキング材が剥がれにくくなり、防水性能が長持ちします。
【プロの視点】プライマーの選定ミスが招く悲劇
プライマーの選定を間違えると、塗装後わずか1〜2年で塗膜が剥がれてしまうことがあります。特に、金属部分やコーキング部分は、適切なプライマーを使用しないと、すぐに剥がれや浮きが発生します。
私たちが過去に修繕した事例の中には、他社が施工した塗装で、鉄部に適切な錆止めプライマーを使用していなかったため、わずか1年で錆が発生し、塗膜が剥がれてしまったケースもありました。
プライマーは「見えない部分」だからこそ、プロの知識と経験が問われる工程なのです。
【比較表】シーラーとプライマーの違いが一目でわかる
ここまでの内容を、わかりやすく表にまとめてみました。
| 項目 | シーラー | プライマー |
|---|---|---|
| 役割 | 塗料の吸い込みを防ぐ 下地を固めて補強する | 塗料の密着性を高める 接着剤のような役割 |
| 得意な素材 | ザラザラして吸い込みやすい素材 (モルタル、コンクリート、スレートなど) | ツルツルしてくっつきにくい素材 (鉄、アルミ、塩ビ、タイルなど) |
| イメージ | 化粧水(肌に浸透させる) | 接着剤・両面テープ(くっつける) |
| 語源 | Seal(封をする、覆い隠す) | Prime(最初の) |
| 主な使用場所 | 外壁、屋根、軒天など | 鉄部、金属部、雨どい、コーキング部など |
| 特殊機能 | 吸い込み止め、下地補強 | 錆止め、防カビ、密着性向上 |
この表を見れば、「吸う素材にはシーラー、吸わない素材にはプライマー」という基本的な使い分けが理解できるはずです。
【深掘り】水性と油性、どう使い分ける?プロの判断基準
ここからは、他の記事ではあまり詳しく語られていない、プロならではの判断基準をお伝えします。シーラーには水性と油性があることは先ほど説明しましたが、実際の現場ではどのように使い分けているのでしょうか?
下地の劣化具合を見極める
最も重要な判断基準は、「下地の劣化具合」です。私たちプロの職人は、現地調査の際に以下のようなチェックを行います。
チョーキング検査
手で壁を触って、白い粉が付くかどうかを確認します。粉が大量に付く場合は劣化が激しいと判断し、油性シーラーを選択します。
水の吸い込み確認
壁に少量の水をかけて、吸い込み具合を確認します。水がすぐに吸い込まれる場合は、吸い込みが激しいと判断し、油性シーラーを選択します。
目視による劣化チェック
ひび割れ、塗膜の剥がれ、カビや藻の発生など、目視で劣化状況を確認します。劣化が激しい場合は、浸透性の高い油性シーラーが適しています。
上塗り塗料との相性
もう一つの重要な判断基準は、「上塗り塗料との相性」です。基本的には、水性の上塗り塗料を使用する場合は水性シーラー、油性の上塗り塗料を使用する場合は油性シーラーを選ぶのが原則です。
ただし、油性シーラーの上に水性の上塗り塗料を塗ることは問題ありません。逆に、水性シーラーの上に油性の上塗り塗料を塗ることは、密着不良を起こす可能性があるため避けるべきです。
環境への配慮と臭いの問題
近年、環境への配慮から水性塗料が主流になってきています。水性シーラーは臭いが少なく、VOC(揮発性有機化合物)の排出も少ないため、住宅密集地や、お客様が在宅のまま工事を行う場合には、水性シーラーを選択することもあります。
ただし、下地の劣化が激しい場合は、臭いの問題よりも塗装の耐久性を優先し、油性シーラーを使用することが多いです。この判断は、お客様とよく相談した上で決定します。
【プロの視点】塗料メーカーの仕様書を守ることの重要性
塗料メーカーは、それぞれの上塗り塗料に対して、推奨する下塗り材を仕様書で指定しています。この仕様書を守らずに施工すると、たとえ塗装直後は問題なく見えても、数年後に塗膜の剥がれや色褪せなどのトラブルが発生する可能性があります。
私たちDIOhomesでは、必ず塗料メーカーの仕様書に準拠した施工を行っています。これは、お客様の大切なお家を長く守るための、プロとしての責任です。
知っておきたい!その他の下塗り材との違い
実は、下塗り材にはシーラーとプライマー以外にも、「フィラー」や「サーフェイサー」といった種類があります。これらの違いを知っておくと、見積書を見たときにより深く理解できるようになります。
フィラーとは?
フィラー(Filler)は、「Fill(埋める)」という意味の通り、下地の凹凸を埋めて平滑にする役割を持つ下塗り材です。特にモルタル外壁にヘアクラック(髪の毛のような細いひび割れ)がある場合に使用されます。
微弾性フィラー
最も一般的なフィラーで、弾力性があるため、下地のひび割れに追従して割れにくいという特徴があります。モルタル外壁の塗装では、シーラーではなく微弾性フィラーを使用することが多いです。
シーラーとフィラーの使い分け
一般的に、サイディング外壁にはシーラー、モルタル外壁にはフィラーを使用します。ただし、モルタル外壁でも劣化が軽度でひび割れがない場合は、シーラーを使用することもあります。
サーフェイサーとは?
サーフェイサー(Surfacer)は、「Surface(表面)」を語源とし、厳密には下塗りではなく「中塗り」にあたります。下塗り塗料の表面を整え、上塗り塗料の仕上がりを良くする役割があります。
特に劣化が多く見られる古い下地材によく使用され、下塗り材そのものを微調整する効果があります。例えば、一層目の下塗りで凹凸が残った場合、サーフェイサーで平滑にしてから上塗りを行います。
【比較表】下塗り材の種類と特徴
| 種類 | 主な役割 | 適した下地 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| シーラー | 吸い込み止め、密着性向上 | サイディング、スレート屋根 | 浸透して下地を固める |
| プライマー | 密着性向上、接着 | 鉄部、金属部、塩ビ | 表面に密着層を形成 |
| フィラー | 凹凸を埋める、ひび割れ追従 | モルタル外壁 | 厚みがあり、弾力性がある |
| サーフェイサー | 表面を平滑にする | 劣化が激しい下地 | 中塗り材として使用 |
【失敗事例】下塗りを間違えるとこんなトラブルが!
ここからは、実際に起こった失敗事例をもとに、下塗りの重要性を再確認していきましょう。これらの事例は、私たちDIOhomesが修繕を依頼された実際のケースや、業界で共有されている事例をもとにしています。
失敗事例1:シーラーを省いたら、わずか1年で塗膜が剥がれた
ある住宅で、コストを抑えるためにシーラーを省いて直接上塗り塗料を塗ったところ、わずか1年で塗膜が剥がれてしまったケースがありました。下地が塗料を吸い込みすぎたため、塗膜が下地にしっかりと密着せず、剥がれてしまったのです。

結局、全て塗り直すことになり、最初からシーラーを使用していれば不要だった費用が発生してしまいました。「安物買いの銭失い」とはまさにこのことです。
失敗事例2:水性シーラーを使うべき場所に油性シーラーを使用し、色ムラが発生
劣化が軽度のサイディング外壁に、油性シーラーを使用したケースです。油性シーラーは浸透性が高すぎたため、部分的に吸い込みムラが発生し、上塗り後に色ムラが目立つ仕上がりになってしまいました。
この場合、水性シーラーを使用すべきでした。下地の状態に合わせた適切なシーラー選びが、いかに重要かがわかる事例です。
失敗事例3:鉄部に適切なプライマーを使用せず、すぐに錆が発生
鉄製の階段に、錆止め効果のないプライマーを使用したケースです。塗装直後は問題なく見えましたが、わずか半年で錆が発生し、塗膜が浮いてきてしまいました。
鉄部には必ず錆止めプライマーを使用する必要があります。この事例では、適切な知識を持たない業者が施工したことが原因でした。
失敗事例4:コーキング部にプライマーを塗らず、すぐに剥がれた
サイディング外壁の目地にコーキング材を打つ際、プライマーを塗らずに施工したケースです。コーキング材が下地に密着せず、わずか数ヶ月で剥がれてしまいました。
コーキング工事では、プライマーの塗布は必須工程です。この工程を省くと、防水性能が著しく低下し、雨漏りの原因にもなります。
【プロの視点】失敗事例から学ぶ、下塗りの重要性
これらの失敗事例に共通しているのは、「下塗りの重要性を軽視した」ということです。下塗りは、塗装後には見えなくなる「隠れた部分」ですが、塗装の耐久性を左右する最も重要な工程なのです。
どんなに高価な上塗り塗料を使っても、下塗りが適切でなければ、その性能は発揮されません。逆に、適切な下塗りを行えば、上塗り塗料の性能を最大限に引き出し、長持ちする塗装が実現できます。
シーラーとプライマーを併用するケースもある
ここまで、シーラーとプライマーは別々に使うものとして説明してきましたが、実は現場によっては「併用」されるケースも存在します。これは、他の記事ではあまり詳しく語られていない、プロならではの技術です。
併用が必要なケース1:劣化した窯業系サイディング
窯業系サイディングは、セメントと木片などを主材とした外壁材です。表面がツルツルしているため本来はプライマーが適していますが、経年劣化により吸水性が高まっている場合があります。
このような場合、まずシーラーで吸い込みを止めて下地を固め、その後プライマーで密着性を高めるという2段階の処理を行います。これにより、吸い込みムラを防ぎながら、しっかりとした密着性も確保できます。
併用が必要なケース2:金属屋根の塗装
金属屋根の塗装では、まず錆止め効果のあるプライマーを塗り、その後、吸い込みを均一にするためのシーラーを重ねることがあります。特に、古い金属屋根で表面の劣化が激しい場合に、この方法が採用されます。
併用が必要なケース3:特殊な下地材
ALC(軽量気泡コンクリート)など、特殊な下地材の場合、専用のシーラーとプライマーを併用することがあります。ALCは非常に吸水性が高い一方で、表面が脆いため、シーラーで固めた後、プライマーで密着性を高める必要があります。
【プロの視点】併用の判断は現地調査が不可欠
シーラーとプライマーを併用するかどうかの判断は、現地調査で下地の状態を詳しく確認しなければできません。見積書の段階で「シーラー+プライマー」と記載されている場合、それは下地の状態を考慮した適切な提案である可能性が高いです。
ただし、中には不必要な工程を追加して費用を水増しする悪質な業者も存在します。なぜ併用が必要なのか、その理由をしっかりと説明してくれる業者を選ぶことが大切です。
プロはどうやって判断しているの?現地調査の重要性
ここまで読んで、「結局、自分の家にはどの下塗り材が必要なの?」と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。実は、適切な下塗り材の選定は、現地調査なしには不可能なのです。

現地調査で確認すること
私たちプロの職人は、現地調査で以下のような項目を詳しく確認します。
外壁材の種類
モルタル、サイディング、ALC、タイルなど、外壁材の種類によって適切な下塗り材が変わります。まずは外壁材の種類を正確に把握します。
劣化の状態
チョーキング、ひび割れ、塗膜の剥がれ、カビや藻の発生など、劣化の状態を詳しく確認します。劣化が激しいほど、浸透性の高い油性シーラーや、厚みのあるフィラーが必要になります。
過去の塗装履歴
過去に何回塗装しているか、どのような塗料を使用したかも重要な情報です。過去に油性塗料を使用している場合、その上に水性塗料を塗ると密着不良を起こす可能性があるため、適切な下塗り材の選定が必要です。
特殊な部位の確認
鉄部、金属部、雨どい、コーキング部など、特殊な部位がある場合、それぞれに適したプライマーが必要になります。これらの部位を見落とすと、後々トラブルの原因になります。
塗料メーカーの仕様書との照合
現地調査で得た情報をもとに、使用する上塗り塗料を決定します。そして、その塗料メーカーが推奨する下塗り材を仕様書で確認し、最終的な下塗り材を決定します。
この工程を省略して、経験だけで下塗り材を選定すると、思わぬトラブルが発生する可能性があります。
【プロの視点】見積書で下塗り材の詳細を確認しよう
見積書を受け取ったら、下塗り材の項目を必ず確認しましょう。「下塗り一式」とだけ書かれている見積書は要注意です。どのような下塗り材を使用するのか、なぜその下塗り材が必要なのか、詳しく説明してくれる業者を選びましょう。
また、「シーラー」「プライマー」「フィラー」など、具体的な下塗り材の名称が記載されているか、さらには製品名(例:ファイン浸透シーラー、ハイポンファインプライマーⅡなど)まで記載されているかも確認ポイントです。
DIOhomesが考える「下地処理」へのこだわり
私たちDIOhomesは、外壁塗装において最も重要なのは「下地処理」だと考えています。どんなに高価な塗料を使っても、下地処理が適切でなければ、その性能は発揮されません。
必ず現地調査を実施
DIOhomesでは、外壁塗装を行う前に、必ず現地調査を実施しています。壁を実際に触ってみたり、水をかけて吸い込み具合を確認したり、専門的な知識と経験に基づいて、そのお家に最適な下塗り材を慎重に判断します。
塗料メーカーの仕様書を厳守
私たちは、必ず塗料メーカーの仕様書に準拠した施工を行っています。仕様書を守らない施工は、たとえ直後は問題なく見えても、数年後にトラブルが発生する可能性があります。お客様の大切なお家を長く守るために、この原則は絶対に守ります。
吸い込みが止まるまで徹底的に
劣化が激しい壁の場合、シーラーを1回塗っただけでは吸い込みが止まらないことがあります。私たちは、吸い込みが完全に止まるまで、必要に応じてシーラーを2回、3回と塗り重ねます。この「見えない部分」での手間を惜しまないことが、長持ちする塗装の秘訣です。
工程ごとに写真で報告
下塗りは塗装後には見えなくなる工程ですが、だからこそ、私たちは工程ごとに写真を撮影し、お客様に報告しています。「どのような下塗り材を使用したか」「どのように塗ったか」を目で見て確認していただくことで、安心して工事を任せていただけると考えています。
「どんな下地にも、ただ塗るだけ」という施工は一切行いません
私たちDIOhomesは、素材や状態に最も適した下塗り材を選定し、耐久性と美観を両立した塗装を行います。「どんな下地にも、ただ塗るだけ」という施工は一切行っていません。
まとめ:違いを知って、安心の塗装工事を!
シーラーとプライマーの違い、そして下塗りの重要性について、詳しく解説してきました。最後に、この記事の重要なポイントをまとめておきましょう。
シーラーとプライマーの違い(まとめ)
シーラー
- 役割:塗料の吸い込みを防ぐ、下地を固める
- 得意な素材:モルタル、コンクリート、スレート屋根など、吸い込みやすい素材
- イメージ:化粧水(肌に浸透させる)
- 種類:水性(劣化が軽度)、油性(劣化が激しい)
プライマー
- 役割:塗料の密着性を高める、接着剤のような役割
- 得意な素材:鉄、アルミ、塩ビ、タイルなど、ツルツルした素材
- イメージ:接着剤・両面テープ(くっつける)
- 種類:錆止めプライマー、防カビプライマー、コーキング用プライマーなど
下塗りを適切に行わないと起こるトラブル
- 塗膜の剥がれや浮き
- 色ムラ・吸い込みムラ
- 早期劣化
- 錆の発生
- コーキングの剥がれ
適切な下塗り材の選定には現地調査が不可欠
シーラーとプライマーの違いを理解しても、実際に「自宅の外壁にはどちらが合っているか?」を判断するのは簡単ではありません。特に築年数が経った建物や、過去に複数回塗装している建物では、下地の状態が複雑なことも多いため、現地調査と専門知識のある職人による診断が不可欠です。
信頼できる業者を選ぶポイント
- 必ず現地調査を実施してくれる
- 下塗り材の選定理由を詳しく説明してくれる
- 見積書に下塗り材の詳細(製品名まで)が記載されている
- 工程ごとに写真で報告してくれる
- 塗料メーカーの仕様書を守って施工している
外壁塗装は、決して安い買い物ではありません。だからこそ、こうした知識を少しでも持っておくことで、業者さんの説明がより深く理解でき、安心して工事を任せることができます。