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シーラーとは?塗装の下塗りで重要な役割と種類を解説

投稿日:2026年8月28日
更新日:2026年9月25日

シーラーは、下地と上塗り塗料を密着させ、塗料の吸い込みや色ムラを抑える重要な下塗り材です。
ただし、水性・油性の違いやプライマー、フィラーとの使い分けを理解せずに選ぶと、剥がれや変色などの施工不良につながるおそれがあります。

本記事では、シーラーの役割や種類、選び方、塗装方法まで詳しく解説します。
外壁塗装やDIYを検討している方は、下地に適した製品を選ぶための参考にしてください。

シーラーとは?

シーラーとは、塗装面と仕上げ塗料を密着させ、下地への吸い込みや色ムラを抑えるために用いる代表的な下塗り材のことです。

基本的な役割は下地と仕上げ塗料の間に入り、塗膜が均一に密着しやすい安定した状態をつくることにあります。
素材ごとに異なる塗料の吸い込みを抑え、細かな粉や弱った表面を固めながら、仕上がりの色やつやのばらつきや塗りムラの発生を防ぎます。

なお、下地を整えずに上塗りすると剥がれや色ムラが起こりやすいため、塗装面の美観と耐久性を施工後も長期間にわたって安定して保つうえで簡単には省けない重要な工程です。

塗装工程におけるシーラーの位置づけ

塗装工事は下塗りから始まり、その後に中塗りと上塗りを重ねて必要な塗膜の厚みや全体の仕上がりを整える流れです。
シーラーは最初の下塗りで用いられ、下地と仕上げ塗料をつなぐ重要な土台として塗装全体の品質を左右します。

ここでは、3つの工程の基本的な流れと、シーラーを省略した場合に起こりやすい不具合を解説します。

下塗り・中塗り・上塗りの3工程の流れ

塗装工事は、下塗りで下地を整えたあと、中塗りと上塗りを順番に重ね、必要な膜厚や色つや、建物を守る保護性能をつくります。
下塗りにはシーラーなどを使い、下地と仕上げ塗料の密着性を高めながら、塗料の過度な吸い込みを防ぎ、表面状態のばらつきや塗りムラも抑えます。

また、3つの工程を製品仕様に沿って丁寧に行うことで、見た目だけでなく剥がれにくさや耐候性も施工後により長期間にわたって安定しやすくなるでしょう。

シーラーを省略した場合に起こるトラブル

メーカーがシーラーを指定する塗装仕様で下塗りを省略すると、密着不良や吸い込みムラ、早期剥離が生じやすくなります。
また、吸い込みが強い素材では発色が不均一になり、木部などではアクやヤニが表面へ染み出して、塗装後の仕上がりや建物の美観を損なう場合もあります。

さらに、補修や再塗装が必要になる可能性も高まるため、費用や工期を抑えたい場合でも、メーカーが指定する下塗り工程を決して安易に省かないことが重要です。

シーラーが担う5つの重要な役割

シーラーは、密着性の向上や塗料の吸い込み防止だけでなく、弱った下地の補強やシミの抑制にも深く関わります。
これらの働きが適切に発揮されると、仕上げ塗料の発色が整い、塗膜の剥がれやムラも起こりにくくなるでしょう。
具体的な役割は、以下の通りです。

  • 下地と上塗り塗料の密着性を高める
  • 下地への塗料の吸い込みを防ぐ
  • 劣化した下地を内部から補強する
  • アクやヤニの染み出しを抑える
  • 仕上げ塗料の発色を美しく整える

下地と上塗り塗料の密着性を高める

シーラーは下地表面に浸透したり薄い塗膜を形成したりして、仕上げ塗料が均一に定着しやすい安定した土台をつくる重要な役割があります。
たとえば、古い壁やコンクリート、木材は粉や微細な凹凸が残りやすく、そのまま塗ると密着不良や早期の浮き、広範囲の剥がれにつながりかねません。

なお、下地処理とシーラー塗布を適切な手順で丁寧に行えば、塗膜の浮きや剥がれを抑え、塗り替え後の美しい仕上がりを施工後も安定して長く保ちやすくなります。

下地への塗料の吸い込みを防ぐ

コンクリートやモルタル、木材は塗料を吸い込みやすく、下塗りをせずに仕上げると、色やつやが部分的に不均一になりやすい性質を持つ素材です。
シーラーを塗ると下地表面の吸水性が整い、上塗り塗料が必要以上に内部へ浸透し、十分な厚さの塗膜を形成できなくなるのを防ぎます。

塗料の過度な使用や塗りムラを抑えながら、均一な塗膜と美しい発色へ導く点も、塗装全体の品質を支え、美しい仕上がりを保つために欠かせない重要な役割といえます。

劣化した下地を内部から補強する

浸透型・強化型のシーラーには、粉化した下地や脆弱部へ浸透し、下地を補強する製品があります。
ただし、深いひびや大きな欠損まで直せる材料ではないため、状態に応じて樹脂モルタルなどによる適切で丁寧な補修を先に行わなければなりません。

下地の劣化度を詳しく確認して適切な浸透性や補強性を持つ製品を選べば、上塗り後の浮きや剥がれを防ぎ、塗膜を長く保ちやすくなるでしょう。

アクやヤニの染み出しを抑える

ヤニやアクが出やすい下地には、ヤニ止め・アク止め機能を明示した専用シーラーを使いましょう。
ヤニ止めやアク止め機能を備えたシーラーは、原因となる成分の移行を封じ、仕上げ塗料の変色や色ムラの発生を抑えられます。

ただし、通常のシーラーでは十分に防げない場合もあるため、木部の種類や既存のシミを塗装前に確認し、対象成分に対応した専用品を慎重に選んで使ってください。

仕上げ塗料の発色を美しく整える

シーラーで下地の吸い込みや色のばらつきを整えると、仕上げ塗料が均一に広がり、選んだ色を本来の明るさや濃さでより鮮明に表現しやすくなります。
特に濃い旧塗膜や補修跡が残る面では、下塗りが不十分だと色が沈んだり、部分的に透けたりして仕上がりが不自然で見栄えの悪い状態になりがちです。

そのため、製品で指定された塗布量と乾燥時間を守り、下地をむらなく均一に整えたうえで上塗りすることで、発色やつやを美しく安定させましょう。

水性シーラーと油性シーラーの違いと選び方

水性シーラーと油性シーラーは、臭い、乾燥性、浸透力、扱いやすさなどに違いがあり、適する施工環境も変わります。
室内では臭いの少なさが重視され、劣化した外壁では下地への浸透性や補強性が求められる場合があるでしょう。

以下では、両者のメリットと注意点を解説します。

水性シーラーの特徴とメリット・デメリット

水性シーラーは臭いが比較的少なく、用具を水で洗える製品も多いため、室内や住宅の周辺でも安心して扱いやすい点が大きなメリットです。
乾燥が早い傾向にある一方、浸透力や補強力は水性・溶剤系の区分だけでは決まらず、樹脂系や製品設計、下地との適合性を確認する必要があります。

また、用途や適用下地は製品ごとに異なるため、屋外で使う際は耐水性や補強力、上塗り塗料との組み合わせを実際の施工前に確認してください。

油性シーラーの特徴とメリット・デメリット

油性シーラーは浸透力や補強力に優れた製品が多く、粉化した外壁や吸い込みの強いコンクリートなどの劣化した下地に使われることがあります。
一方で、溶剤特有の強い臭いがあり、十分な換気や火気への配慮が必要なほか、用具の洗浄にも専用のうすめ液を使う場合があります。

そのため、高い耐久性だけで選ばず、施工場所における安全性や乾燥条件、下地の状態、仕上げ塗料との適合性を実際の施工前に総合的に確かめてから慎重に使用しましょう。

機能別で選ぶ特殊シーラーの種類

特殊シーラーは、ヤニやアク、下地の脆弱化、アルカリ成分など、一般的な下塗り材だけでは対応しにくい問題へ用います。
必要な機能を見極めずに選ぶと、変色や剥がれを十分に防げず、仕上がりや耐久性へ影響する可能性があります。
本項で解説する特殊シーラーの種類は、以下の通りです。

  • ヤニ止め・アク止めシーラー
  • コンクリート強化シーラー
  • カチオンシーラー
  • アルカリ止めシーラー

ヤニ止め・アク止めシーラー

ヤニ止め・アク止めシーラーは、木材や合板、古い内装材から染み出す成分を封じ、上塗り後の変色や目立つシミを抑える専用の下塗り材です。
たとえば、松や杉など樹脂分を含む木部や、過去のシミが残る面では、一般的なシーラーだけでは再発を長期間にわたり十分に防げない場合があります。

そのため、既存の汚れを丁寧に除去して下地を十分に乾燥させ、対象となるヤニやアクへ対応した製品を、メーカーの手順に沿って指定量を守って適切に使用しましょう。

コンクリート強化シーラー

コンクリート強化シーラーは、粉化した表面や弱った内部へ深く浸透して脆弱な部分を固め、上塗り塗料が密着しやすい状態に整える製品です。
主に経年劣化した床や壁で使われますが、構造に関わる深いひび割れや大きな欠損を埋める補修材料ではないため、事前に別の適切な処置が必要になります。

そのため、下地の含水率や劣化度、上塗り可能な塗料を詳しく確認し、メーカーが定める塗布量と乾燥時間を守って塗り残しがないよう均一に施工してください。

カチオンシーラー

カチオンシーラーには、コンクリートやモルタル等への付着性・浸透性に優れた製品がありますが、適用下地と上塗り材は製品仕様で確認することが大切です。
一方で、旧塗膜や粉化した面に使える製品もありますが、すべての劣化下地に対応するわけではなく、施工前の清掃やひび割れ部分の補修は欠かせません。

したがって、上塗り材との相性や施工可能な下地をメーカーの仕様書で詳しく確かめ、必要な塗布量と乾燥時間を守って塗り残しがないよう全体を丁寧に仕上げましょう。

アルカリ止めシーラー

アルカリ止めシーラーは、コンクリートやモルタルから生じるアルカリ成分の影響を抑え、上塗り塗料の変色や早期の劣化を防ぐ下塗り材です。
なお、新しい下地は水分やアルカリ性が高い場合があるため、十分な養生と乾燥期間を確保し、塗装できる状態に整っているか確認しなければなりません。

また、製品が定める適用条件や下地の含水率を厳守し、施工する素材と仕上げ塗料の両方に適合する専用品を、施工前に仕様書で慎重に選んで使用してください。

シーラーの主な塗装方法

シーラーは、施工面積や下地の形状、作業環境に応じてローラー、刷毛、スプレーなどを使い分けて塗布します。
広い平面には一般にローラー、隅や細部には刷毛、複雑な形状や広範囲には吹き付けが向く場合があるでしょう。

以下では、代表的な塗装方法の特徴を解説します。

ローラーを使った塗装方法

ローラー塗装は、壁や天井など広い面へシーラーを均一に塗り広げやすく、作業効率と安定した仕上がりを両立しやすく、初心者にも扱いやすい方法です。
施工前に汚れや粉を丁寧に除去し、ローラー全体へ十分に含ませてから余分なシーラー液を落とし、一定方向へ少しずつ重ねながら丁寧に進めます。

また、隅や継ぎ目は刷毛で先に塗り、全体に塗り残しや垂れ、塗布量の偏りがないか確認すると、均一で安定した下塗り面に整えられるでしょう。

スプレーによる吹き付け塗装

吹き付け塗装は、スプレーガンでシーラーを細かな霧状にし、広い面や複雑な形状の凹凸へ短時間でむらなく均一に塗布しやすい方法です。
ただし、作業効率に優れる一方で周囲へ広く飛散しやすいため、建物や車、植栽などを十分に養生し、マスクや保護眼鏡などの防護具も忘れずに着用します。

そのため、風の強い日や換気が確保できない場所での施工は避け、製品が指定する希釈率や吹き付け圧、塗布量、乾燥時間を施工前から作業中まで必ず守ってください。

まとめ:シーラーの正しい選び方と塗装の品質向上

シーラーは、下地と上塗り塗料の密着性を高め、塗料の吸い込みや色ムラ、早期の剥がれを防ぐ重要な下塗り材です。
水性・油性の違いだけでなく、ヤニ止めやコンクリート強化などの機能、下地の素材や劣化状況も確認して選ぶ必要があります。

また、塗布量や乾燥時間を守り、必要に応じて2度塗りや下地補修を行うことも大切です。
そのため、製品名だけで判断せず、メーカーの仕様書や見積書の内容を確認し、判断が難しい場合は塗料販売店や施工業者へ相談しましょう。

DIOhomesは、神戸市・伊丹市を中心に外壁塗装や屋根塗装を行う地域密着型の専門店です。
現地調査をもとに住まいの状態を確認し、工事内容や使用する材料をご説明します。
外壁の剥がれや色ムラでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

お問い合わせは下記より受付しています。

この記事を書いた人

DIOhomesメディア担当

外壁塗装や屋根工事をはじめとしたリフォーム工事に関する情報を発信します。
工事に関するご質問がございましたら、お電話、メールフォーム、LINEでお気軽にご連絡ください。

この記事の監修者

中馬 孝夫

株式会社DIOhomes代表取締役
略 歴

2012年 大手塗装会社入社
2014年 管理職就任
2019年 退職、DIOhomes開業
2021年 株式化
2026年 現在に至る

資 格

・雨漏り診断士
・外壁劣化診断士
・外壁診断士
・石綿作業主任
・石綿含有建材調査書
・化学物質管理者

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