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遮熱塗装のデメリットとは?導入前に知っておくべき7つの落とし穴と対策

2025年4月25日

遮熱塗装は、太陽光を反射して建物の温度上昇を抑える高機能塗料として、住宅や工場、公共施設での採用が進んでいます。
しかし「省エネ効果が高い」「夏に快適」といったメリットだけを鵜呑みにすると、後悔するケースもあるのです。

本記事では、遮熱塗装を検討している方に向けて、あらかじめ知っておくべきデメリットとその対策を徹底解説します。


1. 初期費用が高額になりやすい|コスパで失敗しないための見極めポイント

遮熱塗料は、一般的なアクリルやシリコン塗料に比べて高性能な顔料や添加剤を使用しているため、材料単価が2〜3割以上高くなる傾向があります。

加えて、遮熱効果を活かすためには、以下のような追加コストも発生しやすくなります。

  • 遮熱専用の下塗り材や高耐久シーリング材の導入
  • 遮熱性を損なわないための細かい施工精度の管理
  • 下地や材質ごとの適合テスト

これにより、一般的な外壁塗装工事と比べて施工総額が20〜50%増えるケースも少なくありません。

📌 対策ポイント: 遮熱塗装は長期的な光熱費の削減や建物寿命の延伸で「回収できる投資」です。導入前には、エリアの気候特性・太陽光の照射条件・既存建材の状態を見極めて、10年以上の視点で費用対効果を比較しましょう。


2. 断熱効果は期待できない|「遮熱」と「断熱」はまったく別物

遮熱塗料の原理は、「赤外線(近赤外線)」の反射による表面温度の抑制です。
一方で、熱そのものの伝導や室内の保温には効果がありません。

つまり冬場は、せっかくの太陽熱もはね返してしまうため、「寒く感じる」との声も一部にはあります。

特に「断熱材が十分でない古い木造住宅」「南面の壁・窓が多い住宅」ではこの傾向が顕著です。

📌 対策ポイント: 遮熱+断熱のハイブリッド構成が理想。たとえば、遮熱塗装+屋根裏断熱材の追加や、外壁には断熱塗料を使用するといった、用途別の塗料使い分けが有効です。


3. 日陰・北面には効果が出ない|施工範囲の見極めが重要

遮熱塗料は「太陽光が当たる面」で初めて機能を発揮します。
したがって、北側の壁や日陰になる外壁面では、遮熱効果がほぼ期待できません。

それでも全体に塗ってしまえば、費用だけが無駄に膨らんでしまう恐れがあります。

📌 対策ポイント: 遮熱塗装は「全体に施工」よりも、「屋根+南西面の壁」など、日射量が多い部分だけに施工することでコストパフォーマンスを最適化できます。


4. 塗膜が割れやすくなる可能性|塗装厚や素材との相性に注意

遮熱塗料に含まれる特殊顔料や反射材は、通常の塗料よりも塗膜に厚みが出やすい傾向があります。
これにより、以下のようなリスクが増す場合があります。

  • 塗膜の柔軟性が不足し、**クラック(ひび割れ)**が発生しやすくなる
  • 屋根材の膨張収縮に追従できず、剥がれやすくなる
  • 屋根材が金属系や劣化が進んだ場合は、塗膜ごと浮いてしまうリスク

📌 対策ポイント: 塗膜の厚みを適正に管理し、可とう性(柔軟性)のある下塗り材や弾性系プライマーとの併用で予防が可能です。「どこまで厚く塗れば効果的か」はプロによる塗布管理が不可欠です。


5. 色による性能差がある|見た目と機能のバランスをどう取るか

遮熱塗料の性能は、色によっても左右されます。
明るい色(白・アイボリー・ライトグレー)は高い反射率を誇り、遮熱効果も最大限に発揮されます。
しかし、濃色系(ブラック・ブラウン・ネイビーなど)は赤外線を吸収しやすく、効果が大きく低下します。

近年では、濃色でも遮熱顔料を使用した製品も増えていますが、依然として白との反射率には大きな差があります。

📌 対策ポイント: デザイン重視の方は、「濃色で遮熱性を維持する製品」を比較検討するか、外壁は濃色・屋根は白系など、部位別の使い分けを検討してみましょう。


6. メーカーによって性能に差|価格だけで判断してはいけない

遮熱塗料は、各メーカーが独自の技術や素材配合で開発しているため、製品ごとの性能差が非常に大きい分野です。
例えば同じ価格帯でも…

  • A社は反射率90%以上・耐候性10年
  • B社は反射率75%・耐候性7年 というように、カタログを見ただけでは判断しにくい差があります。

また、「外壁用」「屋根用」など用途によっても適正な製品が異なるため、誤った選定をすると効果が十分に発揮されません。

📌 対策ポイント: 実績のある専門業者と相談し、建物の素材・立地・使用目的に合わせて塗料をカスタマイズ選定することが最重要です。


7. 効果の持続には定期メンテナンスが必要

遮熱塗料も、塗膜が汚れたり経年劣化することで反射率が低下し、効果が薄れるという点は避けられません。
特に外壁の凹凸部や屋根の風下側などは、汚れがたまりやすく、効果が早期に落ちる場合があります。

✔ 10〜15年を目安に再塗装が必要になるケースも多く、**「塗れば永久に遮熱効果が続くわけではない」**という前提で計画を立てましょう。

📌 対策ポイント: 定期点検・洗浄・再塗装といったメンテナンス体制が整っている施工会社を選ぶことが、遮熱塗料の価値を最大限に引き出す鍵となります。


まとめ|遮熱塗装のデメリットは「理解と戦略」でカバーできる

遮熱塗装はたしかに魅力的な塗装技術ですが、全方位に万能というわけではありません。

  • 初期費用の増加
  • 冬場の寒さ
  • 効果の偏りや塗料選定ミス

…など、注意点も多くありますが、これらは施工前の知識と戦略、業者選び次第で十分にカバー可能です。

DIOhomesでは、建物の診断から塗料の選定、遮熱効果のシミュレーションまで一括で対応しています。
「遮熱塗装が本当に必要か?」「コストに見合うか?」という疑問をお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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