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遮熱塗装が劣化する!? 見落としがちな“シーリング材”の重要性とは

2025年4月24日

遮熱塗装における「シーリング」の意外な重要性とは?

遮熱塗装というと、多くの方が「塗料の性能」や「施工方法」に注目しがちですが、**シーリング(コーキング)**の選定や施工精度も、遮熱性能の“持続性”を左右する非常に重要な要素です。

特に外壁や屋根の接合部、サッシ周りなど、建物の“動き”が集中する部位では、劣化したシーリングが雨水の侵入や気密性の低下を招き、遮熱効果が十分に発揮されないケースもあります。

この記事では、施主にもわかりやすく、現場目線も交えて「遮熱塗装におけるシーリング材の役割・選定・注意点」を解説します。

そもそもシーリング(コーキング)とは?

シーリングとは、建材の継ぎ目など隙間を充填し、気密性・防水性を確保するための材料です。特に外壁の目地やサッシ周りなど、構造的に“動き”が発生する場所に使用されます。

遮熱塗装を行う前には以下のような対応が必要です:

  • シーリング材の打ち替えまたは打ち増し
  • 塗料との相性を確認
  • 乾燥時間や塗装工程の調整

遮熱塗装で重要なシーリングの3つの役割

① 雨水の侵入を防ぎ、建材の劣化を防止

シーリング材の劣化や剥がれは、雨水が浸入する原因となり、建物内部の腐食やカビの発生に繋がります。遮熱塗料を施していても、こうした隙間があると効果が十分に発揮されません。

② 断熱・遮熱の“気密性”を保つ

遮熱塗装の性能を引き出すには、建物の気密性が重要です。隙間風や熱の出入りを防ぐことで、外部からの熱流入を抑制します。その気密性を担保するのがシーリング材の役割です。

③ 塗膜の割れ・剥離を防止

遮熱塗料は紫外線を強く受けるため、塗膜の劣化が早まりやすい傾向にあります。シーリング材の追従性が低いと、塗膜が割れたり剥がれたりして遮熱効果が損なわれます。適切な柔軟性を持つシーリング材を選ぶことで、塗料の寿命も延びます。

遮熱塗装とシーリング材の“相性”問題に注意

遮熱塗料とシーリング材は、必ずしも全ての組み合わせが適合するわけではありません。塗料の成分とシーリング材が化学的に干渉を起こし、施工不良に繋がる事例も少なくありません。

✖ シリコン系シーリング × 遮熱塗料

撥水性が高いため、塗料が弾かれて密着せず、数ヶ月で剥がれるリスクがあります。遮熱性能のムラや外観の劣化にもつながります。

✖ 弾性塗料 × 硬質シーリング

遮熱塗料の中には弾性タイプもありますが、下地のシーリング材が硬すぎると、追従性にズレが生じて塗膜にひび割れが発生します。

遮熱塗装に適したシーリング材の選び方

遮熱塗料と相性の良いシーリング材を選定することが、トラブルを防ぐ最も重要なポイントです。おすすめは以下の通り:

シーリング材の種類遮熱塗料との相性特徴ノンブリードタイプ(変成シリコーン系)◎可塑剤がにじみにくく、密着性・耐久性に優れるウレタン系△一部塗料とは相性が悪い。特に屋根などには不向きシリコーン系(酢酸タイプ)×撥水性が強く、ほとんどの塗料と密着しない

特に「ノンブリードタイプ」は、塗膜の変色・浮き・ベタつきを防げるため、遮熱塗装と組み合わせるには最適です。

施工時に注意したいシーリング工程とチェックポイント

1. 既存シーリングの撤去

劣化したシーリング材は完全に撤去し、打ち替えが基本です。打ち増しでは内部の劣化が残ることも。
古いシーリングを残すと、新材との密着が悪くなり、早期の剥離・浮きの原因になります。
撤去時にはカッターや専用工具で、サイディングを傷つけずに丁寧に作業することが重要です。

2. プライマー処理

密着性を高めるための下処理。プライマーを塗らないと早期剥離の原因になります。
目地の素材やシーリング材に応じた専用プライマーを選定し、塗布ムラがないよう均一に塗ることがポイント
気温や湿度によって乾燥時間も変わるため、施工タイミングの見極めも重要な工程のひとつです

3. 充填・仕上げ

空洞が残らないように充填し、平滑に仕上げることで長期耐久性が向上します。
施工時はヘラ押さえで内部まで密実に充填し、両端への密着と表面のなめらかさを両立させる技術が必要
雨が当たりやすい場所や動きの多い部位では、肉厚をしっかり確保することも長持ちのポイントです。ることで長期耐久性が向上します。

遮熱塗装とシーリングの施工工程例

工程注意点足場設置高所作業に必須高圧洗浄汚れをしっかり除去。シーリング施工前に乾燥を既存シーリング撤去劣化の進み具合により判断プライマー塗布接着力を高めるシーリング充填空洞が残らないよう丁寧に養生・乾燥2日ほど硬化時間を確保遮熱塗装施工下塗り → 中塗り → 上塗り。塗料との相性に注意

「良い業者」を見極めるためのチェックポイント

  • シーリングは打ち替えか、打ち増しかを明確に説明できるか?
  • 使用するシーリング材の製品名・種類を提示できるか?
  • 塗料との相性説明があるか?
  • 各工程で適切な乾燥時間を確保しているか?

**「安さ」ではなく「説明の丁寧さ」「工程の確実さ」**で選ぶことが、失敗を防ぐコツです。

まとめ 〜遮熱塗装の真価を引き出す“施工力と材料選定”〜

多くの方が注目するのは「どんな遮熱塗料を使うか」ですが、実際にはシーリング材の施工品質がその効果の持続性に深く関わっています。

遮熱塗料は、温度変化による伸縮に耐え、建物に密着し続けることで本来の性能を発揮します。劣化したシーリング材の上に施工したり、相性の悪い材料を使えば、数年でトラブルが発生するリスクも。

遮熱塗装を成功させるには、

  • シーリングの打ち替え
  • 遮熱塗料に適合したシーリング材
  • 施工工程の確実さ

これら3つの要素が揃って初めて、塗料の性能が最大限に活かされます。

「価格」よりも「品質」。数年後の快適性とメンテナンスコストを見据えて、信頼できる施工業者を選びましょう。
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